こんにちは!
この記事は、次のような方におすすめです!
- ルジャンドル陪関数の定義や性質を確認したい
早速内容に入りましょう!(^^)
定義
ルジャンドル陪関数は、\(-1\le x\le 1\)で次のように定義されます:
\begin{align}
P_l^{\,m}(x)\equiv\frac{1}{2^ll!}(1-x^2)^{m/2}\frac{d^{l+m}}{dx^{l+m}}(x^2-1)^l\tag{1}\\
(l=0,1,2,\dots;m=-l,-l+1,\dots,l-1,l)
\end{align}
\(l\)の値によって、\(m\)の取り得る値の範囲が変わることに注意しましょう(^^)
これは次のように理解できます。
まず、微分の階数は0以上なので、\(l+m\ge0\)より、\(-l\le m\)となります。
次に、微分される関数\((x^2-1)^l\)は\(x\)についての\(2l\)次多項式なので、\(2l-(l+m)\ge0\)でなければルジャンドル陪関数はゼロになってしまいます。(例えば\(x^2\)を\(x\)について3階微分すると、\(\frac{d^3}{dx^3}x^2=0\)となりますよね。)
この条件から、\(m\le l\)が得られます。
これらを合わせると、\(m\)の取り得る範囲は、\(-l\le m\le l\)となります。
l=0,1に対するルジャンドル陪関数
\(l=0\)のとき、\(m\)の取り得る範囲は\(m=0\)で、
\begin{align}
P_0^{\,0}(x)=P_0(x)=1 \tag{2}
\end{align}
\(l=1\)のとき、\(m\)の取り得る範囲は\(m=-1,0,1\)で、
\begin{align}
P_1^{\,-1}(x)&=-\frac{1}{2}\sqrt{1-x^2} \tag{3}\\
P_1^{\,0}(x)&=P_1(x)=x \tag{4}\\
P_1^{\,1}(x)&=\sqrt{1-x^2} \tag{5}
\end{align}
ここで、\(P_l(x)\)はルジャンドル多項式です。
ルジャンドル多項式の定義や性質についてはこちらをご覧ください!(^^)
いくつかの性質
- \begin{align}
P_l^{\,m}(-x)=(-1)^{l+m}P_l^{\,m}(x) \tag{6}
\end{align} - \begin{align}
P_l^{\,m}(x)=(1-x^2)^{m/2}\frac{d^m}{dx^m}P_l(x)\quad(m\ge0) \tag{7}
\end{align} - \begin{align}
P_l^{\,l}(x)=\frac{(2l)!}{2^ll!}(1-x^2)^{l/2} \tag{8}\\
P_l^{\,-l}(x)=\frac{(-1)^l}{2^ll!}(1-x^2)^{l/2} \tag{9}
\end{align}
すなわち、下付き添字が同じ\(l\)のとき、\(m=\pm l\)のルジャンドル陪関数は互いに比例しています。 - 上の性質は一般の\(m\)に対しても成り立ちます:
\begin{align}
P_l^{\,-m}(x)=(-1)^m\frac{(l-m)!}{(l+m)!}P_l^{\,m}(x) \tag{10}
\end{align}
漸化式
\begin{align}
\left[(1-x^2)\frac{d}{dx}+mx\right]P_l^{\,m}(x)&=\sqrt{1-x^2}P_l^{\,m+1}(x) \tag{11}\\
\left[(1-x^2)\frac{d}{dx}-mx\right]P_l^{\,m}(x)&=-(l+m)(l-m+1)\sqrt{1-x^2}P_l^{\,m-1}(x) \tag{12}
\end{align}
微分方程式
\begin{align}
\left[(1-x^2)\frac{d^2}{dx^2}-2x\frac{d}{dx}+l(l+1)-\frac{m^2}{1-x^2}\right]P_l^{\,m}(x)=0 \tag{13}
\end{align}
直交性
\begin{align}
\int^1_{-1}dx\,P_l^{\,m}(x)P_{l’}^{\,m}(x)=\frac{2}{2l+1}\frac{(l+m)!}{(l-m)!}\delta_{ll’} \tag{14}
\end{align}