こんにちは!
この記事では、一般化座標に共役な一般化運動量を定義して、その注意点について説明します。
早速内容に入りましょう!(^^)
一般化運動量の定義
ラグランジアン\(L(q,\dot{q},t)\)で記述される一般の系を考えます。
このとき、一般化運動量は以下で定義されます。
\(q_i\)に共役な一般化運動量の定義
\begin{align}
p_i\equiv\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \tag{1}
\end{align}
「共役」という言葉に慣れないかもしれませんが、ざっくり座標と運動量が表裏一体の関係にあるということです。
解析力学で正準変換を勉強したり、量子力学で(フーリエ変換で?)座標表示と運動量表示を勉強したりすると、わかるようになると思います。
一般化運動量\(p_i\)を用いると、Euler-Lagrange方程式は、
\begin{align}
\frac{dp_i}{dt}=\frac{\partial L}{\partial q_i} \tag{2}
\end{align}
とかけます。
また、こちらで導入したエネルギーは、
\begin{align}
E=p_i\dot{q}_i-L \tag{3}
\end{align}
とかけます。
(3)はラグランジアンのルジャンドル変換でハミルトニアンを構成する、という考え方に関連する式です。
一般化運動量についての注意
注意点は1点です!!
一般化運動量の定義は、
\begin{align}
p_i\equiv\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} \tag{1}
\end{align}
であって、決して、\(p_i\equiv mv_i\)ではありません!!
勘違いしている人が多いので、もういっそのことニュートン力学は忘れ去ってしまっても良いとまで思うことがあります、、、笑
あ、もちろん、定義(1)にしたがって計算した結果、\(p_i=mv_i\)になることはありますよ(^^)
こうならない例として、電磁場中の荷電粒子に対する一般化運動量があります。
この系のラグランジアンは、ゲージ不変性より、
\begin{align}
L=\frac{1}{2}m\dot{\boldsymbol{r}}(t)^2-e\phi(\boldsymbol{r}(t),t)+e\dot{\boldsymbol{r}}(t)\cdot\boldsymbol{A}(\boldsymbol{r}(t),t) \tag{4}
\end{align}
となります。
ここで、スカラーポテンシャル\(\phi\)とベクトルポテンシャル\(\boldsymbol{A}\)の引数が、パラメータ\(\boldsymbol{r}\)ではなく一般化座標\(\boldsymbol{r}(t)\)であることに気をつけましょう。
(4)を一般化運動量の定義に代入すると、
\begin{align}
\boldsymbol{p}=\frac{\partial L}{\partial \dot{\boldsymbol{r}}}=m\dot{\boldsymbol{r}}+e\boldsymbol{A} \tag{5}
\end{align}
となります。
\(\boldsymbol{p}\neq m\dot{\boldsymbol{r}}\)ではないのです!
この記事を読んでくださった皆さん、勘違いしている友人がいましたら、この事実を強調して伝えてくださいますよう、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
まとめ
この記事では、一般化運動量を定義しました!
\(q_i\)に共役な一般化運動量の定義
\begin{align}
p_i\equiv\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}
\end{align}
そして、これは必ずしも\(p_i=mv_i\)とは限らないことを説明しました。
それでは!