【解析力学】循環座標、運動量保存則と空間並進対称性の関係

解析力学

こんにちは!

この記事は次のような方におすすめです!

  • 循環座標について知りたい
  • 運動量保存則と空間並進対称性の関係を知りたい

早速内容に入りましょう!(^^)

循環座標と一般化運動量の保存

ラグランジアン\(L(q,\dot{q},t)\)が、ある一般化座標\(q_k\)に依らない(ただし、\(\dot{q}_k\)には依っても良い)とき、この\(q_k\)を循環座標といいます。

このとき、ラグランジアンは、

\begin{align}
L=L(q_1,\dots,q_{k-1},q_{k+1},\dots,q_N,\dot{q}_1,\dots,\dot{q}_N,t) \tag{1}
\end{align}

と表されます。

一般に、\(q_i\)に共役な一般化運動量\(p_i\)を用いて、Euler-Lagrange方程式は、

\begin{align}
\frac{dp_i}{dt}=\frac{\partial L}{\partial q_i} \tag{2}
\end{align}

とかけるのでした。(詳しくはこちら(^^))

これを用いると、循環座標\(q_k\)に共役な一般化運動量\(p_k\)の時間変化は、

\begin{align}
\frac{dp_k}{dt}=\frac{\partial L}{\partial q_k}=0 \tag{3}
\end{align}

最後の等号は、ラグランジアンが\(q_k\)に依らないことから従います。

よって、循環座標\(q_k\)に共役な一般化運動量\(p_k\)は保存量であることがわかります。

運動量保存則と空間並進対称性

先ほど示した運動量保存則は、循環座標の並進\(q_k\to q_k+\epsilon\,(\epsilon:\text{定数})\)に対する対称性と関係しています。

ラグランジアンは、この並進に対して明らかに不変です:

\begin{align}
L&=L(q_1,\dots,q_{k-1},q_{k+1},\dots,q_N,\dot{q}_1,\dots,\dot{q}_N,t) \\
&\to L’=L \tag{4}
\end{align}

\(L’\)は並進後のラグランジアンです。

\(q_i\)がEuler-Lagange方程式の解であれば、\(q_i+\epsilon \delta_{ik}\)も解になります。

ここで、循環座標\(q_k\)のみ\(\epsilon\)だけずれているので、クロネッカーデルタ\(\delta_{ik}\)をつけておきました。

まとめ

この記事では、以下の内容を説明しました。

  • ラグランジアンが\(q_k\)に依存しないとき、この\(q_k\)を循環座標という
  • 循環座標に共役な一般化運動量\(p_k\)は保存する
  • 運動量保存則は空間並進対称性と対応がある

それでは!

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